2016.10.06

Group News - シンドラーグループCEO トーマス・エッテリとの社内インタビュー 「2017年度世界シンドラー大賞」に寄せて

トーマス・エッテリは、2016年初旬に、シンドラーグループの最高経営責任者(CEO)に就任しました。エッテリは、1994年にシンドラーグループに入社し、以後、現在のCEOの役職に就くまでの間、複数の大陸に渡り主な要職を歴任してきました。

Q

シンドラー・グローバル・アワード(シンドラー世界大賞)は、2003年以降続けられてきました。そして、2015年には応募資格を世界中の学生の皆さんにまで拡げました。この都市デザインのコンペは、当社にとって何故重要なのでしょうか?

 

A

今日ある学生の皆さんが、未来の都市をデザインすることになります。世界中の学生の皆さんが共通の課題に取り組むことで、様々な考え方を共有できたり、大きな困難に挑む経験を積むことができたりします。私たちは、未来の都市を構築する方々を対象としたコンペを開催することは、相互にメリットをもたらすと考えています。つまり学生の皆さんがこのコンペから何かを学び、私たちもまた、学生の皆さんから学ぶことがあると考えています。

 

 

Q

この賞で「都市」が切り口であることは、主に個々のビルにモビリティを提供することをビジネスとしている企業にとってユニークな感じがします。シンドラーグループは、広い意味において都市空間にどのように貢献できるとお考えですか?

 

A

エレベーター、エスカレーター、及び「ムービング・ウォーク(動く歩道)」は、大変便利な都市の働き者です。人々はあらゆる場所で利用していますが、意識せずに利用しているため、役割はしばしば見過ごされがちです。しかし、これらの移動手段は都市にとって欠かすことができない重要なものです。本賞は、都市環境全体に焦点をあてています。なぜならば、都市は私たちの仕事の中心であり、そしてまた、急増する都市人口のモビリティをいかにサポートするかといった大きな課題に直面する場所でもあるからです。また、私たちは、エレベーターを、ビルの名刺代わりであると考えています。移動する人々の総人口がどれくらいか、垂直方向の移動に何が必要とされているのか、そして、ニーズに的確に応えるベストな方法とは何かといったことを考えられる場所が都市でもあります。

                       

 

Q

モビリティ、アクセシビリティ、及びサステナビリティのような、都市が抱える広範囲な課題に焦点を当てることによって、シンドラーは、学生の皆さんが、このコンペ参加を通してどのようなことを得てほしいと考えていますか?

 

A

私たちが「シンドラー・アワード」を開始した2003年は、「欧州障害者年」にあたり、ユニバーサル・アクセシビリティを意識した設計を特に重視しました。2015年に本賞をグローバル化した際、アクセスがしやすく且つサステイナブルな移動手段こそが、構築された環境全体の中に在る重要なインフラの一部としてその重要性が増しているということに気づきました。私たちは学生の皆さんにモビリティが持つパワーを理解してくださることを期待しています。このコンペは、アイディアについての意見交換の場となるよう設計されています。もちろん、学生の皆さんには、参加することで多くを学ぶと同時にその過程を楽しんでいただきたいと願っています。

 

 

Q

エレベーターは、垂直方向の都市を創造する上で鍵となります。そして、今日、社内的そして恒久的といったあらゆる側面から望ましい都市環境を据えた場合、人口密度が重要な一要素として随分と議論されるようになってきました。シンドラーは、将来における、垂直方向の人口密度と、垂直方向の移動手段との関係をどのように考えていますか?

 

A

私たちは常にサステナビリティを重視してきました。この言葉が曖昧となり得るので、私たちは何を意味しているのか厳密にしてきました。エレベーターは、ビルシステムの一部ですので、生産、販売から、据付け、運行に至る過程において、どれほどエネルギーを消費しているのかについて慎重に計測してきました。どの段階においてもエネルギー消費を抑えることがサステナビリティに繋がります。また、エレベーターの社会的な影響については、私たちも関心をもっています。エレベーターがなければ、都市や人口密度の高い都市環境といったものはありえません。エレベーターは、高層建築を可能にすることで、人類の存在を根本的に変革しました。エレベーターや、あるいは光ファイバーケーブルといった技術は、しばしば見落とされたり、当たり前のように思われたりしがちですが、現代都市にとって影のヒーローです。エレベーターなしには、密度の高いグローバル世界は存在しません。

 

 

Q

世界の都市に関する建築家の構想や芸術家のビジョンは、空に向かって突き抜けるようなタワーや、巨大な地下の公共空間が公園など、壮大かつ斬新ですが、どのようにして、モビリティと都市の積み重なる層をリンクさせるのでしょうか?

 

A

未来都市を描くSF小説みたいで、私はこういう構想が好きです。現在の現実から生まれた予測でもあります。とてもわくわくします。グローバルな成長は、どこか一つのマーケットだけを「最大」と特定することはできません。都市開発が大規模に行われる中国のようなところがある一方で、イノベーションのペースや旧システムからより現代的なシステムへの更新が最大で、かつ最も重要な場所もあります。

 

 

Q

都市化が続く中、垂直方向のモビリティにおける将来的なトレンドとか革新やイノベーションについて、どのように考えていますか?また、ブラジルの場合はどうでしょうか。

 

A

ブラジルは私たちにとって最も重要な市場の一つです、これは、一つに、この街の人口集中が、数多くの高層ビルの必要性を醸成するからで、近代的で賑やかな都市について考えるとき、まず考えるのが、高層ビルだからです。しかし、私たちはまた、ほどほどの高さにも焦点を当てています。革新に向けたプレッシャーは、エレベーターの技術的な側面、例えば、エレベーターシステムのスピードや高さを決定する素材や機械類などに対してのみならず、人々が建物の中をどのように移動するのかといった運行管理にも向けられます。これは、シンドラーが1980年代に開拓したもので、現在同様のロジックを用いて、都市全体を人がどのように移動すべきなのかについて検討しています。

 

 

Q

シンドラー・グローバル・アワードで最初に舞台とした場所は深センでした。今回のコンペの場所はサンパウロです。世界中の学生たちが参加します。何故このように国際的な視野が重要なのでしょうか?

 

 

A

シンドラーは100年以上もの間、国際的な企業として存在し続けてきました。建築的な実務は益々地球規模になっています。学生の皆さんに、世界中のビジネスの現実を見てもらうことは、彼らに日常生活の枠の外で、課題を考えていただくことを意味します。これは、世界がより一層相互に関連していることからも重要です。

 

 

Q

垂直方向のモビリティは、コンペの場及びサンパウロでの仕事の上でどのような役割を果たしますか?

 

A

私たちは、この街にとって、垂直方向のモビリティは、水平方向のモビリティと同じくらい重要であると考えています。モビリティが垂直・水平方向で合体することが重要です。これは、オフィスのロビーから公共の乗り換え駅の中二階にまで至る全てを意味します。全ては公共スペースの中で起きます。CEAGESP市場の場所及び周辺地域は、サンパウロにおいて、垂直・水平方向が交わる部分に対する新たなアプローチとなるでしょう。私は、学生の皆さんが、この公共の場所を、インフラとどのように融合させることができるのかを見るのが楽しみです。この人口密度の高い街の中心部にある広大な場所がデザインの対象となることは極めて珍しい。とてもエキサイティングです。

 

 

Q

2017年のコンペに参加予定の学生の皆さんに何かアドバイスはありますか?

 

A

私はデザイナーではありませんが、2015年のアワードで最優秀賞に輝いたプロジェクトは、全体の統一感にチャレンジし、独自のアイディアに取り組んだものでした。チームワークも大切です。全ての学生の皆さんは、いずれプロとして仕事をする事になるでしょう。私たちのアワードは、そうした学生の皆さんがそれらを実践することの出来る絶好の機会です。 

 

以上